「男性更年期障害」を知る、治す(下)「うつ」との関係は?

2017年03月15日

 

ようやく一般的に知られるようになった男性更年期障害「LOH症候群」。その症状は肉体的なもののみではなく、精神面にまで及びます。なかでも多くの患者が訴える気分の落ち込みや、「うつ」症状は大きな苦痛として本人にのしかかってきます。

 

「うつ」と強い関連がある「LOH症候群」

 

男性更年期障害「LOH症候群」(加齢性性腺機能低下症候群)は肉体的な変化が現れるだけではなく、精神的な変調を伴うものであることは、これまでに説明してきたとおりです「記事(上)」「記事(中)」。なかでも「うつ」とは特に強い関連が認められるようになってきました。


LOH症候群を発症しやすい中高年男性は、もともと家庭や社会における状況の変化にさらされやすい年代。職場では管理職として常に結果を求められ、家庭では子どもの進学や家のローン、親の介護の責任が重くのしかかるなど、ストレスは増大する一方。これらが引き金となって「うつ」を発症する人が多くなるのです。


それに加えて、肉体的には男性ホルモンのテストステロンが減少するという現象が起こります。テストステロンは、意欲をつかさどる働きに関係するホルモンなので、その減少が精神的にも影響を与え、憂うつな気分を、さらには病としての「うつ」を引き起こします。つまり中高年の「うつ」は、自身の生活環境などの外的要因と、男性ホルモンの減少という肉体的要因が合わさって起こる精神症状であると言えます。

 

泌尿器科と精神科の連携をとることが重要

 

「うつ」にかかった中高年の患者のなかには、抗うつ薬などを用いた精神科や心療内科での治療ではなかなか効果が現れず、長期間にわたって苦しむ人が少なくありません。そのようなケースでは、LOH症候群による男性ホルモンの減少が原因の人も含まれている可能性があります。というのも、前回もご紹介したように、LOH症候群の代表的な治療法であるアンドロゲン補充療法「ART」を行うことによって、憂うつな気分が晴れたり、「うつ」の症状が軽くなったりするケースが見られるからです。

 

ただ、「うつ」の症状がLOH症候群を原因とするものか、またそれ以外の精神症状なのかの見極めは困難です。前者は泌尿器科(またはメンズクリニック)の分野であり、後者であれば精神科、心療内科の管轄となるためです。


こうした理由から、「うつ」の症状がなかなか改善しない場合は、泌尿器科かメンズクリニックを、LOH症候群の治療をしてもなかなか憂うつな気分が晴れない場合は精神科か心療内科を訪ね、セカンドオピニオンを求めるのが有効と言えます。


受診するのが総合病院であれば、両方の診療科が連携を取りながら治療にあたることができるので、その見極めがうまくいく可能性がより高くなります。受診科に迷った場合は、総合病院の案内所で相談してみるといいでしょう。

 

 

参考図書およびサイト:
大野俊康著『男の更年期障害を治す』(講談社)
和田秀樹著『男も更年期で老化する』(小学館新書)
『日本泌尿器学会』https://www.urol.or.jp/public/index.html
『帝京大学医学部附属病院泌尿器科』http://teikyo-urology.jp/
『男性更年期NAVI』(日清製粉グループ)http://www.loh.jp/

 

(ライター/三好達彦)

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