旅行やドライブを楽しむための乗り物酔いの仕組みと対策

2017年01月11日

 

旅行は好きだが、乗り物酔いが心配で楽しめない。通勤や通学の時でさえ酔うことがある。でも体質だからしかたない、とあきらめていませんか? 乗り物酔いのメカニズムを知り、改善法を探ってみましょう。

 

なぜ酔うのか? そのメカニズム

 

乗り物酔いは医学的には「動揺病」「加速度病」と呼ばれています。私たちのからだは、重力に対して、視覚からの情報と、三半規管と耳石器から構成される「前庭迷路」と呼ばれる内耳の中の器官からの信号を、脳が受け取って平衡感覚を保っています。三半規管は主に回転運動を感じる器官で、中にはリンパ液が入っています。乗り物酔いはこのリンパ液が動くことで起こります。

 

乗り物に乗ると、上下左右に不規則な揺れを感じます。三半規管と耳石器はスピードの変化や揺れの情報を集め、脳へ伝えます。その情報がその人の限界を超えると「異常な刺激」となって脳に伝わり、からだの平衡感覚がおかしくなり、自立神経の働きが乱れます。こうして、呼吸が早くなる、冷や汗をかく、顔面蒼白になる、吐き気を覚えるなどの症状が出るのです。

 

ガソリンやタバコ、香水、食べ物のにおいなど、鼻からくる刺激によっても酔いやすくなります。「また酔ったらどうしよう」と過去の乗り物酔いの記憶が強いストレスになることもあります。

 

では対策はどうしたらよいでしょうか。乗り物酔いを抑えるには、三半規管の中のリンパ液をなるべく動かさないようにします。あごを引いて座り、頭の動きが最小限になるように座席のヘッドレストなどを使うようにします。 あごを引くと、乗り物酔いと関係の深い外側半規管が地面に対して水平になります。あごを上げるとリンパ液が必要以上に動き、脳への刺激が強くなり酔いやすくなります。

 

◆どんな人がなりやすいか
3~4歳までは乗り物酔いはあまり起こらないと言われます。また、老化にともなって前庭小脳が萎縮してくる高齢者もなりにくいと言われています。逆に脳が敏感な小学生から中学生くらいが最もなりやすく、成長するとともに落ちついてきます。

 

乗り物酔いを防ぐコツ

 

長時間乗り物に乗ることになったら、次のことを心がけましょう。

 

・十分な睡眠を取り、食事は控えめにする
・「乗り物酔いはしない」と自己暗示をかける。「きっとまた酔ってしまう」と逆の暗示をかけないこと
・あごを引いて座り進行方向を見る    
・振動の少ない席に座る
・酔い止めの薬を飲む
・乗り物酔いに効くツボを押す
・ペパーミントの精油を用いる、梅干しをほおばるなど「これがあれば大丈夫」と思える自分なりの予防法を持つ

 

日頃のトレーニングで軽減する方法もあります。子どもの場合、日ごろからブランコやシーソー、トランポリンなどの揺れをともなう遊具で遊ぶことで、乗り物酔い防止の訓練になります。大人の場合、前転・後転などの運動や、バランスボールに座るだけでもトレーニング効果が得られるようです。無理のない範囲でやってみてはいかがでしょう。ただし継続することを忘れずに。


参考文献:
『「乗り物酔い」撃退ブック』坂田英治・坂田英明 共著(マキノ出版)

 

(ライター/和田朋子)

 

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